最後・杉谷光司
1.膨張する宇宙
- スライファー:遠くの銀河は遠ざかっていることを発見。
- リービット:セファイド型変光星の変更周期と明るさにある関係を発見。
- ハッブル:セファイド型変光星を距離の指標として、銀河系の近傍の銀河の距離を測定
系外銀河は、その距離に比例した後退速度(赤方偏移)で遠ざかっている。
v=H0r
V:銀河の後退速度
から宇宙が一様に膨張しているとして、ハッブルの法則は説明できる。
風船を一定の間隔で膨らませていくとその風船の上にある3つの点は一定の間隔で広がっていくのと同じ。
http://dirac.phys.saga-u.ac.jp/~funakubo/BAU/BAU.html
ビッグバン宇宙論
+フリードマン・るメートル:一般相対性理論の膨張している解
(過去の宇宙は1点に集まり密度無限大で爆発的な膨張が始まり、膨張がだんだん密度が小さくなっていく。)
物質量と膨張エネルギーによる3つのタイプ 閉じた宇宙・平坦な宇宙・開いた宇宙
+ガモフ:火の玉宇宙論(宇宙の初期は高温高密度の、中性子ガスからすべての元素が合成されると考えた。その後の詳しい計算で水素・ヘリウムのみが合成されることがわかった。
+アインシュタイン:一般相対論の静止している解を求めたが重力で縮むため、宇宙項(ある種の斥力か膨張エネルギーに対応)を導入
http://www.kahaku.go.jp/education/program/l_pgm/lemmmon/
ビッグバン宇宙論の根拠
宇宙が高温だったときの名残
ペンジャスとウイルソン(1965年)
- ヘリウムの存在量
現在のヘリウムは大半が宇宙初期に合成され、その他の元素は現在に至るまでに星の内部で合成された。(現在のヘリウム量はビッグバンモデルから予想される量と等しい)
宇宙のはじめ
(1)力の発生
http://www.kek.jp/kids/class/cosmos/bigbang.html
(2)水素・ヘリウムの合成(10-4秒以後)
光子⇔物質+反物質
(物質:電子・陽子・中性子・ニュートリノ)
宇宙膨張により温度が下がる
陽子/反陽子と中性子/反中性子の対生成がなくなるが、対消滅は続き、わずかにその反物質がなくなっていく
温度-100億、宇宙時刻-1秒
光子⇔電子+陽子、ニュートリノ+反ニュートリノ
陽子:中性子=3:1
さらなる密度・温度の低下
ニュートリノが相互作用しなくなる
温度-20億 宇宙時間-14秒
対消滅は続くが、電子のほうが多いため残る
温度-10億、宇宙時刻-180秒
陽子+中性子→重水素→3重水素(トチリウム)、ヘリウム3→ヘリウム
水素77% ヘリウム23%
宇宙の晴れ上がり
温度-3000度 宇宙時間38万年
http://www.isas.jaxa.jp/kids/naze/space/11.html
宇宙が中性化する
WMAP衛星による宇宙背景放射
宇宙背景放射は-2.7kで非常に一様だが、10分の1のゆらぎがある
WMAPの成果
- 宇宙年齢137億±2億年
- 最初の星形成は宇宙年齢20億年後におきた
- 晴れ上がりは、宇宙年齢37万9千年
- 宇宙は、物質4%、暗黒物質23%、暗黒エネルギー73%
- ハッブル定数 Ho=71(km/sec)/Mpc
- インフレーションの新たな証拠(偏光データより)
- 宇宙は永遠に膨張(−平坦な宇宙)
銀河の誕生
宇宙の晴れ上がり→物質が集まることができる(光との相互作用がなくなる)→物質の揺らぎ成長→原始銀河の形成(t-10億年)
http://th.nao.ac.jp/openhouse/2000/Uni/poster_U.html