2日目

アールヌーボーについて(Art Nouveau)
・その時期に一気に出てきたデザイン様式であるが、誤解されやすい言葉である
・時代・地域・造形的特徴が共通する

*余談*
-印象派 モネ
-立体派 パブロ・ピカソ
といわれているがその言葉と彼らの作品については結びつきはない
彼ら自身が印象派・立体派と宣言したことはない

と同じようにアールヌーボーについても同じことである。
しかし、以下の4名の建築家の仕事を見る限り、共通点を見つけることが難しい。

・ビクトル・オルタ(ベルギー)
マッキントッシュスコットランド
・ガウディ(スペイン)
・オルブリヒ(オーストリア

よって、ここでは、
19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に起こった造形改革の運動・現象である。
大体1890年から1900年初頭まで続いた運動である。

■Victor Horta and Samuel Bing
Sammuel Bingはパリの画商であった。BingはHortaに頼んで、店の設計を行ってもらったがその店の名前がArt Nouvearである。その後、その店が注目されパリの中で他のデザイナーが取り入れるようになった。

■フランス・ベルギーから発祥
アールヌーボーのメインストリームであった

・パリ・ブリュッセル
建築とポスターに代表される作品群
自由な曲線(伝統・自然からの脱却)
枠組みから自由な曲線→それ自体が構造的な直線(建築ではそれ自体を支える部分に用いる)
ポスターについてはイメージとインフォメーションを混在
どのように視線を誘導するかを観点に多くのポスターが作成された
鉄の使用によってこれらの構成が可能になった
□代表的な作家
Vector Horta
Henri van ole velde
Hector Guimard
Henri de troulous-Lautrec
Alphonse Maria Mucha
・ナンシー
エミールガレを中心とした家具デザイナー集団
自由な曲線(伝統・自然からの脱却)
東洋的な空間感覚の導入→内部・外部の区別がつきにくいあいまいな空間の導入
□代表的な作家
Emile Galle
Louis Majorelle


スコットランド
チャールズ・レニー・マッキントッシュに代表
情緒的な直線(構造上の必然ではない直線・美的な直線)
小物→家具→内装→建築へと展開
統一的な造形性の下にデザインする(トータルデザインを試みた)


■スペイン
アントニオ・ガウディに代表
宗教的な神秘体験
中世カタロニア文化(非ヨーロッパ的な要素・非キリスト的な要素・アフリカ的・イスラム的な要素を取り入れていた)

**余談**
イタリア語・スペイン語ポルトガル語は似ている
日本語も明治時代以降に統一されたがその前までは、方言の差が大きかった


■ドイツ・オーストリア(第2世代)
パリ・ブリュッセル派、マッキントッシュの影響下に成立
ウィーン分離派(Secession)
→過激であったため、パリ・ブリュッセル派は過剰に反発した
マッキントッシュのデザインに解決のヒントを見出した
 自由な曲線を幾何学的な形態(美的な志向)で制御する
 全ての要素を幾何学的に表現していく

□代表的な作家
Joseph Hoffmann オールラウンドデザイナー
Joseph Maria Olbrich 建築家
Koloman Moser グラフィックデザイナー


☆近代アート(アールヌーボー後期から続くあーとについて)幾何学的な形がひとつキーワードとなる
また、装飾性がなくなっていく過程である


■時代背景
帝国主義経済体制に基づく好景気
世紀末-変化に対する期待と不安





アメリカという文化
ヨーロッパ文化をアメリカに持ち込んだ(継承者がいた)

アメリカ文化とヨーロッパ文化の違い
300年と3000年の違い
新しさと伝統
Pragmatism(実践的功利主義) と Idealism(観念論的理想主義:思考によって理想に近づくことができる)

□建物の高層化の条件
・構成素材の軽量化
・構造の簡潔化
・構造の透明化

鉄・鉄筋コンクリートによる単純ラーメン構造

アメリカのシカゴ派を代表する建築家
Louis Sullivan
パリで勉強をした
実際的な機能(高層化)と装飾のバランスをうまくとった
形態は機能に従う(forms follow function)
機能主義といわれた

Frank Lioyd Wright
有機的な統一体としての建築
環境・構造(力学)・設備・内装・意匠
代表的な作品としてプレーリー住宅
機能的に意味合いを持った複合体としての建築
装飾を持たない。装飾が機能的空間の延長にある空間を構成した